来る10月、手の物語プロデュースによるセミナーが東京にて開催されます。この秋はテーマを A・B・C の3つに分け、連続して学べる充実の内容。手の物語では、セミナーの参加募集に伴い、各テーマの内容をご紹介していきます。
建築から「脱炭素化」を考えてみる。その未来を解いてみる。
夏と冬、暑さと寒さへの対策として、エアコンなどの設備は確かに有効ですが、室内気温を一定に保つには、それ以上のエネルギーを代償として放出することになります。
深刻な温暖化が叫ばれる中、温室効果ガスを極限まで減らすことを目的とした「脱炭素化」への意向が世界的に加速しています。ここ日本でも雨量が6.5%増加し、「気候の危機」が肌で感じられるようになってきました。そうした流れの中で、これからの建築はどのようにあるべきなのでしょうか?
パネルディスカッション:人と自然をつなぐ設計をめぐって
建築環境学からの見識、実測によるデータ、それに工務店・建築家の技術と経験…。
各分野の熟達者が意見を出し合い、快適性とデザイン性が備わりつつも過刺激的な方法に依らない未来の建築を解く。そんなディスカッションが展開されます。
講師5人とファシリテーターのご紹介
堀部 安嗣
堀部安嗣建築設計事務所 代表
最近の事例をご紹介し、断熱・気密と太陽熱利用を、ベーシックハウスの視点に立って考えたい。
宿谷 昌則
建築環境学・東京都市大学名誉教授(LEXS研究会)
エクセルギーの方法を用い、蓄熱・放射を基本にして、人と自然の関係をシミュレーションしてみた。
小玉 祐一郎
エステック計画研究所・神戸芸術工科大学 大学名誉教授
今の建築が失ったものを、そしてパッシブデザインを、「五感のデザイン」の視点に立ってじっくりと語りたい。
荏原 幸久
荏原ソフト&計測 代表(チームおひさま・LEXS研究会)
建築と環境を追って50年。Q1住宅と空気集熱式ソーラーをコンターマップを用いて、比較・検討してみました。
迫 英徳
シンケン 代表
シンケンは、しっかり集熱する。熱を床下に蓄熱する・室内にゆっくり放射させるやり方で通してきた。屋根に太陽が降り注いでいるのに太陽が主人公の住宅を何故やらないのか? それが不思議でならない。
どんな話が飛び出すか、期待が大きいパネルディスカッションです
ファシリテーター
真鍋 弘
編集者・ライフフィールド研究所(LEXS研究会)
パッシブデザインという言葉が建築の世界に流布するようになって30年以上が経ちます。この間に建築をめぐる温熱環境技術、とりわけ高断熱・高気密技術は大きな進歩を遂げてきましたが、その分、パッシブデザインの解釈に拡がりが生じてきた感があります。パッシブデザインとアクティブデザインはどのような関係にあるべきなのかを問うことは、人と自然をつなぐ建築の未来形を考えることに重なります。これまで建築の温熱環境に設計者・研究者・つくり手として長らく関わってきた5人のパネラーの話を通じて、このことを考える機会にしたいと思います。
宿谷さんの研究は、理論構築から具体的な計算シートへと進展しています。小玉さんの〈五感のデザイン〉は、パッシブデザインの本質を語り、荏原さんのコンターマップは、数値によって、建物の被覆性能と室内気候の関係を、明瞭・明快に解きます。
堀部さんには、ここ数年に及ぶ建築実践から生まれた珠玉の建築群を紹介しながら、ベーシックハウスの根本を語っていただきます。
迫さんには、鹿児島シンケンによって25年間1700戸のすべての住宅に空気集熱式ソーラーを取り入れ、経営の根幹に据えてきた理由について発表いただきます。
宿谷昌則さんによる自然の入れ子構造の図。
人体は、建築環境との、熱のやりとりをしています。
同じように、
建築環境は、都市環境と。都市環境は、地域環境と。地域環境は、地球環境と。
そして地球環境は、太陽と、宇宙とのやりとりを。
環境は、それぞれが遮断されたものではなく、このような入れ子構造になっています。
宿谷さんには、こうした概念を踏まえた上で、空気集熱式ソーラーが、どのように建築に、人体に作用するのかを解いていただきます。
荏原幸久さんによるコンターマップ。
気温や室温等の変化を24時間、365日俯瞰して眺められるようにしたものがコンターマップです。まるで等高線のように、温度の高低がわかります。縦軸が下から
上に1時から24時。横軸は左から右に1月1日から12月31日まで並んでいます。
太陽熱の集熱と断熱・蓄熱といったパッシブ要素が、どのように室内環境に変化をもたらすのかを解きます。
新しい時代を拓く秋のセミナー「木と太陽の設計術」
何が起こる、何が始まる。この秋は3つのテーマで連続セミナーへ。
来る10月、手の物語プロデュースによるセミナーが東京にて開催されます。
今回はテーマを A・B・C の3つに分け、連続して学べる充実の内容です。
◎開催日:10月1日(火)~10月2日(水)
◎開催地:東京
◎参加費:A・B・C 各7000円/人(税込・昼食各自)
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・テーマA:中規模木造がおもしろい
・テーマC:泉 幸甫と田瀬理夫の緑の計画学
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【注意事項】
・事前申込み。参加費の事前振込みが必要です。
・会場地図、詳しいプログラム、参加費ご入金先等は、参加お申込み確認後、Eメールにてご案内致します。
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