今回は『びおsolar』
太陽の熱を取り込み、快適な室温空間を実現できる『
鹿児島県の工務店・尾堂産業さまについて。
1970年に創業された尾堂産業(有) 様は鹿児島県日置市に拠点を置き、長くその地の家造りに携わってきた、地域の工務店です。
Webページでも提唱されている「木楽な家」のモットーに倣い、鹿児島の素材をふんだんに用い、木や漆喰、土壁などの自然素材で魅せる家づくりを心掛けられています。
また家具材も、鹿児島特有のメアサ杉のような年輪の細かい良質な木材を、丸太から自社製材して作成するなど、建築全体に対しての熱い追求力を持った工務店です。
初めて導入のお話をいただいたのはおよそ3年前。以来、ほぼ全ての新築に「びおsolar」を使用してもらっています。工務店社長である尾堂竜太氏にお話しを伺い、「びおsolar」について語っていただきました。
新鮮な空気が太陽熱を伴って家に取り込まれる。
尾堂代表がうなった画期的なシステム。
尾堂産業(有)
代表:尾堂竜太氏
最初にびおソーラーを体感したのは、町の工務店ネットさん主催のセミナーです。集熱パネルにつけたファンボックスから出てくる風を受けて、これは良いなと。
うちでは健康に過ごせる家、自然室温で暮らせる家を考えていたので、新鮮な空気を太陽の暖かさを伴って家の中に取り入れることができるびおソーラーに対して、こんな画期的なシステムはないと思いました。それから、家づくりにはびおソーラーがないと成立しないと、弊社の「標準装備」として、資金計画には必ず入れています。見学会などで、お客さまにびおソーラーを説明する中で、「しかも、その温度をもった新鮮な空気が、“太陽の熱”を源に生まれている」ということを話すと、みなさんたいへん興味を持ってもらいます。
やはり太陽という、生まれてから感じることのできる暖かさに対しては、初めて知る方も馴染みが良いんです。本来はタダで受けられるものを、すべて空調の設備で代行するのも何だか、な話になってしまいますよね。
中には予算が厳しいお客さまもいらっしゃいます。そうすると、組んだ見積もりの内容を削ることになるのですが、不思議と「びおソーラーを外したい」というお話はいただいたことがありません。逆に「いえいえ、びおソーラーは入れてください」とお客さまからお願いされるんですよ。
身心ともに気持ちよく過ごせる家づくりに、びおソーラーはなくてはならないしくみだと思っています。
「風と太陽と暮らす」。
その器である建築への取り組み。
うちで提唱している「木楽な家」には「風と太陽と暮らす」という思いを込めています。うちでは断熱・気密も備えながら、外の新鮮な空気を取り込みやすく、また調湿も考えた工夫もこらしています。家具、キッチン、風呂、建具や土に至るまで、可能な限りのものを自社で作成するのはそのためです。木は家具になっても呼吸をしますからね。
また外壁廻りの室内側の壁は杉の木を隙間を空けて施工、砂漆喰で仕上げることで、石膏ボードを使わず、建物自身で調湿効果を成し、かつ、家の強度にも繋がります。壁の中は家が完成すれば見えない部位ですが、家づくりを任された造り手として、毎日の暮らしをしっかりと支え包み込む器と常に向き合い、仕事に取り組んでいます。
びおソーラーがあることも含め、そうした入れ込みの一つ一つが、弊社が考える「風と太陽と暮らす」家に繋がるんですね。
考えではなく感覚。情報ではなく思い。
そのための営業スタイル。
以前は、家づくりにおいての断熱気密の大切さを伝えようと、「C値」「Q値」といった建築の専門用語を交えながら、懸命にお客さまに話をし営業を進めていました。
しかし、言葉を重ねれば重ねるほど、お客様の心が逃げていってしまうんです。
その経験から学び、今は「待つ」スタイルにしました。こちらから「弊社でぜひ造ってください」とはあえて言いません。その代わりに、常に情報発信を続け、弊社の建物を見ていただく機会を増やしています。必要が得られるまでアプローチは行わず、やがて、お客さま自身の「納得」をもって、「確実」な受注に繋ぐことができています。
取材を終えて。
尾堂産業様の気概と職人への思い。
尾堂産業様の建築への取り組みは「工務店だからこそできること」をフルに活かしたものでした。その後の電話取材でも語っていただいたことですが、家具や建具等まで自社生産にこだわるのには、もう一つ理由がありました。
それは「職人を守る」ということ。部材や設備などを可能な限り自社で賄うのは、大工、左官、建具などを職人に任せ、長く育まれた従来の手仕事を守りたいという思いもあります。
高齢化と人材不足が叫ばれている昨今の業界において、尾堂産業様の取り組みは、次世代に繋ぐ実直な手法であると感じ入りました。